Pythonでは、ソースコードにコメントを追加することで、そのコードが何を行っているのかを明確にすることができます。特に、モジュールやクラス、関数等へのコメントは、その処理の目的や機能、わかりにくいポイントの解説などを書いておくことで、ソースコードを読み解かなくてもその機能が理解できるようになります。
Pythonには複数行コメントの専用の記法はありませんが、三重引用符（””” または ””）を用いてコメントとして扱うことが一般的です。このようなコメントは「Docstring（ドックストリング）」と呼ばれ、関数、クラス、モジュールの説明を行うための特別なコメントです。
def example_function():
"""
これはdocstringの例です。
この関数は何もしません。
"""
pass
Docstringは、エディタやhelp関数などでその記述内容を表示できるため、ソースコードを直接見る際の利用に限られるコメントとは異なります。また、ドキュメント作成に使用されるSphinxなどはdocstringを構文解析することでドキュメントの自動生成を行うことができます。
PythonのコーディングスタイルガイドであるPEP 8やdocstringのスタイルガイドであるPEP 257では、docstringの記載方法に関する基本ルールが定められています。これらのガイドに従うことで、Pythonコミュニティ全体で統一されたコードの可読性を保つことができます。
Pythonでのコメントの書き方は、コードの可読性を向上させ、保守や拡張を容易にするための重要な要素です。仕事では勿論ですが、趣味等であってもこれらのコメントを書く癖をつけることで、長期的には効率的に感じるでしょう。.