VTKは、視覚化ツールキット(Visualization Toolkit)の略で、3Dコンピュータグラフィックス、画像処理、視覚化を行うためのオープンソースソフトウェアシステムです。Pythonと組み合わせることで、強力な視覚化アプリケーションを作成することが可能になります。
VTK 9.0では新しいビルドシステムが導入され、その中にvtk_module_python_default_destination
という関数が含まれています。この関数は、Pythonモジュールのデフォルトの配置先を決定するために使用されます。
vtk_module_python_default_destination (<var> [MAJOR_VERSION <major>])
この関数は、Windowsでは${CMAKE_INSTALL_BINDIR}/Lib/site-packages
、それ以外では${CMAKE_INSTALL_LIBDIR}/python<VERSION>/site-packages
をデフォルトの配置先として計算します。<MAJOR_VERSION>
が指定された場合、その値は3でなければなりません。
VTKのモジュールシステムは、ビルドツリーがインストールツリーのように見えるように設計されています。これにより、ビルド時とインストール時でより多くのコード内容を共有することが可能になります。
VTKとPythonを組み合わせることで、強力な視覚化ツールを作成することが可能になります。しかし、そのためにはVTKのモジュールシステムとその関数について理解することが重要です。この記事では、その一部であるvtk_module_python_default_destination
関数について解説しました。
- 参考文献:
- VTK documentation: Module System
- VTK documentation: vtkModuleWrapPython.