Kotlinで非同期処理を行う際のメモ化（Memoization）

Kotlinでは、非同期処理を行う際にメモ化（Memoization）を使用することで、計算済みの結果をキャッシュし、同じ計算を繰り返さないようにすることができます。これは特に再帰的な関数やコストの高い演算を行う場合に役立ちます。以下に、Kotlinで非同期処理とメモ化を組み合わせる方法を示します。

import kotlinx.coroutines.Dispatchers
import kotlinx.coroutines.async
import kotlinx.coroutines.runBlocking

// メモ化用のマップ
val memoMap = mutableMapOf<Int, Int>()

suspend fun expensiveCalculation(n: Int): Int = when {
    n <= 0 -> 0
    n == 1 -> 1
    else -> {
        // メモ化: 結果がキャッシュにあればそれを返す
        if (memoMap.containsKey(n)) {
            memoMap[n]!!
        } else {
            // 非同期で計算を行い、結果をキャッシュに保存
            val result = runBlocking(Dispatchers.Default) {
                val deferredResult = async { expensiveCalculation(n - 1) } // 再帰呼び出し
                val previousResult = deferredResult.await()
                previousResult + expensiveCalculation(n - 2)
            }
            memoMap[n] = result
            result
        }
    }
}

fun main() {
    val n = 10
    val result = runBlocking {
        async { expensiveCalculation(n) }.await()
    }
    println("Fibonacci($n) = $result")
}

この例では、Fibonacci数列の計算を非同期で行います。メモ化を使用することで、同じ引数での計算を一度だけ行い、計算結果を再利用します。メモ化用のマップ memoMap に計算結果を保存し、再帰的に計算を行います。計算結果がキャッシュにある場合はそれを使い、ない場合は非同期で計算してキャッシュに保存します。

この方法を使用することで、再帰的な関数や重い計算を効率的に処理できます。ただし、注意してキャッシュサイズを管理し、メモリ使用量に気を付ける必要があります。