Javaにおいて、クラスキャストと型変換はしばしば混同されることがありますが、実際には異なる概念です。これらの違いについて解説します。
クラスキャスト（Class Casting）
クラスキャストは、オブジェクトの型を変更する操作です。具体的には、スーパークラスからサブクラスへの変換や、インターフェースから具象クラスへの変換がこれに当たります。以下はその例です。
// スーパークラスからサブクラスへのクラスキャスト
Superclass obj1 = new Subclass();
Subclass newObj1 = (Subclass) obj1;
// インターフェースから具象クラスへのクラスキャスト
MyInterface obj2 = new MyImplementation();
MyImplementation newObj2 = (MyImplementation) obj2;
ただし、実際にはクラスの継承関係や実装関係が成り立っていない場合、実行時にClassCastExceptionが発生する可能性があります。したがって、クラスキャストを行う際には、事前にインスタンスの型を確認するなどの対策が必要です。
型変換（Type Conversion）
一方で、型変換は基本データ型の変換を指します。たとえば、intからdoubleへの変換や、longからintへの変換がこれに当たります。具体的な例を以下に示します。
int intValue = 10;
double doubleValue = (double) intValue; // intからdoubleへの型変換
long longValue = 1000;
int intValue2 = (int) longValue; // longからintへの型変換
型変換は基本的にはデータの損失なく変換されますが、注意が必要なのは範囲外の変換や精度の低下が発生する場合です。これに関しても注意深く扱う必要があります。
異なるオブジェクトの型変換と基本データ型の型変換は、Javaにおいて異なる目的で使用される重要な概念です。理解して適切に利用することで、プログラムの正確性とパフォーマンスを向上させることができます。