Python, xlwings, そしてマルチプロセッシング

Pythonのxlwingsライブラリは、Excelとのインタラクションを容易にする強力なツールです。しかし、マルチスレッドやマルチプロセス環境での使用は、いくつかの注意点が必要です。

スレッド化

xlwingsは技術的にはスレッドセーフではありませんが、v0.13.0以上でシンプルなルールに従えば、スレッドで使用することができます。そのルールとは、xlwingsのオブジェクトをスレッドに渡さない、というものです。

以下に、このルールを適用したコードの例を示します。

import threading
from queue import Queue
import xlwings as xw

num_threads = 4

def write_to_workbook():
    while True:
        cell_ = q.get()
        xw.Book('Book1.xlsx').sheets[0].range(cell_).value = cell_
        print(cell_)
        q.task_done()

q = Queue()

for i in range(num_threads):
    t = threading.Thread(target=write_to_workbook)
    t.daemon = True
    t.start()

for cell in ['A1', 'A2', 'A3', 'A4', 'A5', 'A6', 'A7', 'A8', 'A9', 'A10']:
    q.put(cell)

q.join()

マルチプロセッシング

マルチプロセッシングのサポートはWindowsのみです。スレッド化と同様のルールがマルチプロセス化にあてはまります。

以下に、マルチプロセッシングを使用したコードの例を示します。

from multiprocessing import Pool
import xlwings as xw

def write_to_workbook(cell):
    xw.Book('Book1.xlsx').sheets[0].range(cell).value = cell
    print(cell)

if __name__ == '__main__':
    with Pool(4) as p:
        p.map(write_to_workbook, ['A1', 'A2', 'A3', 'A4', 'A5', 'A6', 'A7', 'A8', 'A9', 'A10'])

以上、Pythonのxlwingsライブラリをマルチスレッドやマルチプロセス環境で使用する際の基本的なガイドラインについて説明しました。これらのテクニックを活用することで、PythonとExcelの連携をより効率的に行うことができます。