Pythonでは、APIの呼び出しやデータ処理など、時間がかかる処理を効率的に行うために並列処理がよく用いられます。特に、外部リソースとの通信で待ちが発生する場合、非同期処理は効果を最大限に発揮します。
Pythonで並列処理を行うための主な手法には、async
、threading
、multiprocessing
の3つがあります。
async
: 非同期処理を行います。スレッド数もコア数も1で、並列処理ではなく非同期処理と呼ばれます。threading
: スレッドを分割し、並行処理を実行します。ただし、完全な並列処理をしているわけではなく、タスクを高速に切り替えているだけです。multiprocessing
: CPUのコアを複数扱うことで並列化を達成します。これにより、大量計算の高速化や、シビアなタイミング制御も可能になります。
それぞれの手法は、処理の性質や目的によって適した使用場面が異なります。例えば、非同期処理は、演算処理 (CPUバウンド)よりも、外部との通信がボトルネック (I/Oバウンド)となる場合に最適です。
以下に、それぞれの手法を用いたPythonの並列処理の基本的なコード例を示します。
# asyncの例
import asyncio
async def async_task():
# 何かの処理
pass
# 非同期タスクの実行
asyncio.run(async_task())
# threadingの例
import threading
def thread_task():
# 何かの処理
pass
# スレッドの作成と開始
t = threading.Thread(target=thread_task)
t.start()
# multiprocessingの例
import multiprocessing
def process_task():
# 何かの処理
pass
# プロセスの作成と開始
p = multiprocessing.Process(target=process_task)
p.start()
これらの手法を理解し、適切に活用することで、PythonでのAPI呼び出しやデータ処理を効率的に行うことができます。ただし、これらの技術を使うと非同期処理に比べて、デバッグ・記法・エラーハンドリングが複雑になることがあります。そのため、使用する手法を選ぶ際には、それぞれの特性と利点、欠点を理解した上で選択することが重要です。