PythonスクリプトをEXE化する方法について説明します。この技術を理解することで、Pythonプログラムの配布や実行が容易になり、プログラムの保護も向上します。
Pythonから.exeへ: 変換する3つのメリット
- 配布の容易さ: .exeファイルは、Pythonのランタイムが必要ないため、誰でも実行できます。これにより、Pythonがインストールされていないユーザーへの配布が容易になります。
- 実行の便利さ: ユーザーは、.exeファイルをダブルクリックするだけでプログラムを実行できます。
- コードの保護: .exeファイル化により、Pythonコードが直接見られることはなく、コードの保護が可能になります。
Pythonから.exeへ: 変換の注意点3つ
- ファイルサイズの増加: Pythonのランタイムと依存関係が含まれるため、.exeファイルは元のPythonスクリプトよりも大きくなります。
- 互換性の問題: 生成した.exeファイルは、作成したOS(Windows, macOS, Linuxなど)専用となります。他のOSで実行するためには、そのOS上で.exeファイルの作成が必要。
- エラーハンドリング: .exeファイルではPythonスクリプトよりもエラーのデバッグが困難となることがあります。
Pythonを.exe化するライブラリ選び: 五つの選択肢
Pythonを.exeファイルに変換するライブラリは多数存在します。その中でも有名なものは、以下のとおり。
- PyInstaller
- Nuitka
- PyOxidizer
- cx_Freeze
- py2exe
これらのライブラリは、基本的には同じ目的(Pythonを.exeに変換する)を達成しますが、使用方法や機能、依存関係の取り扱い方などには違いがあります。
PyInstallerを使う前の準備: 注意点とポイント
PyInstallerはシンプルで強力なツールで、多くのパッケージと互換性があります。また、「onefile」オプションを使って、単一.exeファイルの生成が可能です。
実践: PyInstallerでPythonを.exe化しよう
以下に、Pythonスクリプトを.exeファイルに変換する手順を示します。
- Pipenvのインストール: WindowsでPowerShell(or ターミナル)を立ち上げます。
pipenv --version
でpipenvがインストールされているか確認。インストール済みなら手順2へ。pip install pipenv
でpipenvをインストール。 - 仮想環境の構築:
cd [フォルダパス]
で仮想環境を作るフォルダへ移動。pipenv --python 3.10
で仮想環境で使うPythonを設定。pipenv shell
で仮想環境を有効化。 - 必要なライブラリのインストール:
pipenv install [ライブラリ(ex. pandas)]
で必要なライブラリをインストール。 - PyInstallerのインストール:
pip install pyinstaller
でPyInstallerをインストール。 - PyInstallerでpyファイルをexe化:
pyinstaller [exe化したいpyファイル名(ex. test.py)]
でpyファイルを元にexeファイルが作成されます。 - 仮想環境の削除:
exit
で仮想環境のshellから抜ける。pipenv --rm
で仮想環境を削除。
以上でPythonスクリプトをEXE化する方法について説明しました。この技術を活用して、Pythonプログラムをより広く配布し、利用してもらいましょう。