はじめに
MySQLにおいて、トランザクション隔離レベルはデータベースの一貫性を確保する上で重要な役割を果たしています。この記事では、MySQLのトランザクション隔離レベルについて説明し、各隔離レベルがデータベース操作に与える影響について具体的なコード例を交えながら解説します。
トランザクション隔離レベルとは
トランザクション隔離レベルは、複数のトランザクションが同時に実行された場合にお互いの影響をどれだけ許容するかを定義します。MySQLでは、次の4つの隔離レベルがサポートされています。
- READ UNCOMMITTED
- READ COMMITTED
- REPEATABLE READ
- SERIALIZABLE
隔離レベルごとの影響
READ UNCOMMITTED
最も低い隔離レベルで、他のトランザクションがまだコミットしていないデータも参照できます。しかし、未コミットのデータを読み取る可能性があるため、データの一貫性が保たれません。
-- トランザクション開始
START TRANSACTION;
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED;
-- 未コミットのデータを参照
SELECT * FROM users WHERE id = 1;
-- トランザクション終了
COMMIT;
READ COMMITTED
他のトランザクションがコミットしたデータのみを参照できます。未コミットのデータを読むことは防がれますが、同一クエリ内での一貫性は保たれません。
-- トランザクション開始
START TRANSACTION;
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ COMMITTED;
-- コミット済みのデータを参照
SELECT * FROM users WHERE id = 1;
-- トランザクション終了
COMMIT;
REPEATABLE READ
同一トランザクション内では一貫性が保たれますが、他のトランザクションが挿入したデータを読む可能性があります。
-- トランザクション開始
START TRANSACTION;
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL REPEATABLE READ;
-- 同一トランザクション内で一貫性を保ちながらデータを参照
SELECT * FROM users WHERE id = 1;
-- トランザクション終了
COMMIT;
SERIALIZABLE
最も高い隔離レベルで、他のトランザクションがデータにアクセスできなくなります。一貫性が最も強く保たれますが、同時に実行されるトランザクションが少なくなる可能性があります。
-- トランザクション開始
START TRANSACTION;
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL SERIALIZABLE;
-- データを参照・更新
SELECT * FROM users WHERE id = 1;
UPDATE users SET name = 'NewName' WHERE id = 1;
-- トランザクション終了
COMMIT;
まとめ
トランザクション隔離レベルはデータベースアプリケーションのパフォーマンスと一貫性のバランスを取る上で重要な要素です。適切な隔離レベルの選択はアプリケーションの要件によりますので、慎重に検討することが重要です。