Pythonには、マルチスレッドでの通信やデータ構造の管理に使用できる2つのキュークラス、queue.Queue
とcollections.deque
があります。
queue.Queue
は、異なるスレッド間でメッセージやデータをキュー形式でやり取りするために設計されています。一方、collections.deque
はデータ構造としてのキュー(または両端キュー)を実装するためのものです。
queue.Queue
には、put_nowait()
, get_nowait()
, join()
などのメソッドがありますが、collections.deque
にはこれらのメソッドがありません。これは、queue.Queue
がコミュニケーションメカニズムとして設計されているためで、collections.deque
は単なるデータ構造として設計されているためです。
したがって、複数のスレッド間でロックなしで通信を行いたい場合はqueue.Queue
を、単にキューまたは両端キューのデータ構造が必要な場合はcollections.deque
を使用します。
最後に、queue.Queue
の内部dequeに直接アクセスして操作することは、非常に危険な行為であり、避けるべきです。
以上が、Pythonのqueue.Queue
とcollections.deque
の主な違いと使用目的になります。.